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2009

0923
また霙姉と長男のSSです
虹裏設定は抜きだけどエロ……いようなエロくないような?


あ、氷柱が若干幼児化してるけど私の趣味だよ

 夕食が終わり、年少組を風呂に入れると途端にリビングは静かになる。
 そんなリビングでソファに深く座り、蛍の淹れたお茶を飲むのが日課となっている。
「はい、今日はアップルティーですよ霙ちゃん」
「うむ」
 朝起きてから夜寝るまでチビ達の声がしないのはこの時くらいだけだ。
 別に騒がしいのが嫌いだという訳ではない。ただ、姉妹がまだ少なかった頃を思い出すので好きなのだ。
 幼かった頃は騒がしいなどと思わなかったからな。それが当たり前だった。
 そう、懐かしいのだ。


「上がりましたー」
 弟の声がした。
 今日はアイツが風呂に入れる当番だったな――。
「ご苦労。ちゃんと洗ってやったか?」
「もちろんですよ」
 ふむ。
 この家に来て半年も経っていないというのに、“お兄ちゃん”が板についたようだな。
「では姉がパジャマを着せるのを手伝ってやろう」
 無論弟の、ではなくさくら達のだ。
 おとなしいさくらはともかく、その下の二人は走り回ったりして一人で着せるのは大変だからな。
「こら、青空。パジャマを着ないと風邪を引くぞ」
 はーい、と返事をしてすぐ寄ってきたので手早く着せてやる。
 これが小雨なら15分は掛かっているだろうな。
 続いて虹子に着せる。弟の方を見るとようやくさくらに着せ終わったところのようだ。
 まだまだだな……十数年の経験がある私と比べても仕方のない事だが。
「よし、これでいいぞ」
 再び、わーっと声を上げて走り出す青空と虹子。
 さくらは――お兄ちゃんのそばがいいようだ。ソファに二人仲良く並んで座っている。とはいっても、もうおねむのようだが。
 そのさくらを挟むようにして私もソファに座る。
「どうだ、この家には慣れたか?」
「もうすっかり……と言いたいところですけど女の子19人に囲まれるのってなかなか慣れるものではありませんね」
「出ていきたくはならないか」
「ははは、それは無いですよ。大変ですけど楽しいですから」
「そうか」
 それはよかった。うちはとても特異な家だからな。
 馴染めずに出ていってしまうのではないかと少し心配していたのだが――要らぬ心配だったようだな。
「お姉さんから妹まで揃ってて――まぁ、下のほうの子達はどっちかっていうと娘と接しているような感覚ですけどね」
 たしかに虹子や青空辺りともなると歳が離れすぎていてあまり妹という感じはしないだろうな。
「まー、娘でも俺はぜんっぜんオッケーですけどね。こんな可愛い子が娘だったらなーって時々思いますよ」
 弟はさくらの頭を撫でた。さくらは笑い、弟も笑った。
 …………。
「欲しいか?」
「え? そうですね、自分の娘がこんだけ可愛かったら溺愛しちゃうでしょうねー」
「なら――作るか?」
「え?」
「だから、子供を作るかと言ったんだ」
 さくら達の実の姉と兄だからな。その子供が可愛くない訳が無い。
「欲しいんだろう?」
「えぇっ!? ででで、でも俺ら姉弟じゃないですか」
「それがどうした。大した事ではないではないか」
 どうでもよい事だ。
「重要なのは欲しいかどうかだだろう?」
 いやいや、と弟。
「そんな、まずいでしょう。血が繋がってるんですよ俺ら」
「では欲しくないのか」
「そりゃまぁ欲しいか欲しくないかで言ったら欲しいですよ、いつかは。でも今はまだ早いっていうか……」
 むぅ。煮え切らんな。
「私では不満あるというのか。海晴姉や春風やヒカルならいいのか、どうなんだ」
「いや、その三人だって血繋がってるでしょ! 別に霙姉さんだからやだって言ってるわけじゃないですよ!」
 血が繋がっているだのいないだの。小さいことにこだわる男だ。
「なら何を躊躇うというのだ。姉はいつでもいいのだぞ?」
「俺はよくないッスよ! 急に言われたって俺、心の――」 
 その時、キッチンから声がした。
「おにーちゃーん。そろそろさくらちゃん達おねむだと思うのでお部屋に連れてってもらえますかー?」
 エプロンをしたまま蛍がこちらへやってきた。
「え、あぁ、うん。分かった。連れてくよ」
 さくら達を抱き上げ、まるで逃げるようにあっという間にリビングから消えていった。

 まったく。こうもあからさまだと私とて傷つくぞ――





 さて。
 どうしたものだろうか。
 濁してはいたものの、幸い、私と子供を作るのが嫌ではないようだ。
 言葉を重ねれば説得が出来るだろうか? 首を縦に振らせる事が出来るだろうか?
 否。あれは血だ年齢だと並べてどこまでも逃げるだろう。
 ならば、私が取るべき行動など一つしか無いではないか。





「いやー、姉さんがあんな事言い出すとは思わなかった。そりゃ霙姉さんは(黙っていれば)美人だけど、今すぐ子供作るかって言われたらなぁ。やっぱ無いよなぁ……」
「無いのか」
「って、うわあああああああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!!????」
 そこまで驚くか。
「姉さんなんでここにいんの?! ここ俺の部屋だよ!? ていうかなんでこんなに近いの?! なんで覆い被さろうとしてんの!?」
 錯乱しているな。説明してやるか。
「そうだ、ここはお前の部屋だ」
「そうだよ俺の部屋だよ! だからここに姉さん居んのおかしいでしょ!」
「なぜ」
「理由が無いでしょ!」
「それならある」
「なに?!」

「夜這い」

「ええええええええええええええええええええええええええええええ??!?!??!?!?」
 だいぶ混乱してるなコイツ。
「なにを驚く。姉が弟の部屋に入るなどよくある事ではないか」
「いや、うん、でもそれは昼の話でしょう。今は夜だから」
「別によいではないか。夜に弟の部屋に来てはならぬ理由などあるのか?」
「いや、そうじゃなくて夜這いってなに姉さん、なにするつもりなの」
「子供を作ろうかと」
 状況が理解出来ないとばかりに頭を抱える弟。
 思っていたよりも飲み込みの悪い奴だな。
「あれってマジで言ってたんですか?」
「当然だ。お前はどうなんだ。欲しいのか、欲しくないのか」
「たしかに欲しいとは言ったけどさ、今すぐって訳じゃないし」
 ほう。
「それに実の姉と弟でそんな事するなんて……」
 ほほう。
「つまりそれは私なんかとは作りたくないということだな?」
「え?」
「私ではなく、他に女を見つけて、そいつとの間に子供を作りたいと、そういうことだな?」
「えええ?」
「そうかそうか、私とは寝たくないのだな」
「え、いや……そういう事じゃなくて……」
「じゃなくて? ではどういう事だ。私と作りたいか?」
 フフフ――観念しろ。たがを外してやるぐらい姉には容易い事だ。
「姉弟だ家族だと言ったところで所詮は男と女だ。お前だって私と一緒になれたら、と妄想した事ぐらいあるだろう」
「え、え、それは」
「――――姉弟であるにも関わらず」
 沈黙。
 それがなにを意味するのか。
 口にせずとも表情から読み取れる。
「どこまで妄想した? 赤ん坊を抱き上げ顔を綻ばせたか? 手を繋いで公園へ散歩に行ったか? 川の字になって寝たか? よかっただろう、楽しかっただろう満ち足りた日常だっただろう――――それが現実になったらとは思わないか?」
 沈黙は続く。
「正直に言ってみたらどうだ。私を姉ではなく女として見たことがあると。家族を越えた関係になりたいと思ったことがあると。お前は望んだ事があると――――」
「そりゃ、ずっと一緒に育ってきたわけじゃないから最初は姉弟って言ってもピンとこなくて、ちょっと恐い先輩みたいな感じで見ていた頃もあったけどさ――――今はお姉ちゃんだと思ってる。だから、今は霙姉をそんな風には見ては……」
「嘘だな」
「え?」
 そういった感情が沸くのはそれのせいだと、その名残だと、自分を納得させんがためにでっち上げているに過ぎん。
「なぜ自分に素直にならない。お前は今も私をそういう目で見ているのだろう?」
 ならば――
「血が繋がっていることなど気にするな。姉も気にしていない」
 ただ二人が姉と弟だったというだけだ。
 だから――――――
「……ちょっと待った。気にするでしょ? だって姉弟だよ? なんで気にしないの? 結婚出来ないんだよ? だめでしょ、それ。だめだめだめだめ、おかしいよ。みんな止めるだろうし、みんな怒ると思うよ、うん。だからさ、やめよう。姉弟で子供作るなんて。ねっねっ?」 
 予想外に――――抵抗をする。
「うるさい奴だ」
「え?」
 ストン――と。
 弟の股間に腰を下ろす。
「口ではあれこれ言っても体は正直だな――――」
「いやああああああああああああああああああああああ、女の子のセリフじゃないいいいいいい」
「いつまでも素直にならん奴には実力行使だ」
「それは違ううぅぅぅぅぅぅ」
「ほーれほーれ」
 フフフ。
「さぁ、観念するんだ――――」


 と、その時。

「姉様? 下僕?」

 背後から声がした。
 振り返ると――というか振り返らずとも分かる。氷柱だ。
「どーして二人がここに居るの……?」
 どうやら寝ぼけているらしい。自分の部屋と勘違いして入ってきたようだ。
「どこここ?」
「お、俺の部屋だ!」
 急に。私を押し退けるように弟が立ち上がった。
「下僕の部屋……?」
「そうだ、俺の部屋だ。自分の部屋に戻るんだ氷柱。ささ、お兄ちゃんが連れてってあげよう」
「ん~? んー……」
 氷柱の肩を押して、部屋から出ていった。
 また、私から逃げるのか。
 まるで渡りに船と言わんばかりの顔をしていたな……。
「とんだ邪魔が入ったものだ」
 だが、それがなんだというのか。
「なに、機会はいくらでもあるさ」
 今日がだめなら明日が、明日がだめなら明後日が。
 同じ家に住んでいる以上、機会は無限にある。



 姉はいつでもいいぞ――――。
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無題
霙姉さんそれは悪役の台詞です。
長男 2011/09/12(Mon)16:40:38 編集
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